土地があっても家を建てられない、意外な落とし穴
2016/10/12 ファイナンシャル・プランニング
家計のサポートセンター 代表 鈴木大輔さんによる家にまつわるお金の話。今回は「土地があっても家を建てられない、意外な落とし穴」、意外と多い困った事例を取り上げます。
2016年9月28日日本経済新聞のニュース「任意後見人の契約件数が年1万件を突破した」
これが「家を建てられない」こととどう繋がるのでしょうか?
「実家で土地があるのでそこに家をたてる予定です」家造りのご相談を受けているとよくあるケースです。 こんな時、真っ先に気になるのはその土地の法律的な所有者はだれか?ということです。
- 代々の土地なので、祖父の名義になっていた。
- 両親がいいと言っていたので両親のものかと思ったら一部叔父の権利が入っていた。
- 祖父が亡くなったときの相続が完了しておらず、亡くなった祖父の名義のままになっていた。
土地や建物などの所有権は登記によって確認できますが調べてみたら思っていたものと違った、ということもよくあります。 だからといってすぐに「家が建たない!」ということにはならないのですが最近のご相談で増えているのが、
- 祖父(祖母)の名義になっている
- 祖父(祖母)が認知症などで契約行為が出来ない
- 住宅ローンを利用して家を建てたい というケースです。
住宅ローンはほとんどの場合、融資の条件として対象となる土地と建物に抵当権を設定することになります。抵当権とは、万一ローンの返済が出来なくなってしまったときに土地建物を物納しますよ、という権利です。
担保、というとイメージしやすいかもしれません。
金融機関と抵当権の設定をするのは、当然その土地の所有者ですが、その所有者が認知症や重度の障害状態になってしまうとこの契約ができない、ということになってしまいます。
つまり、住宅ローンは借りられません。
これがなかなか厄介で抜け道がなく、
- 権利者が亡くなって相続が完了するのを待つ
- その土地は諦めて別の土地(購入も含めて)にする
- 住宅ローンではなく、現金で購入する
といったことになります。
冒頭のニュースですが、任意後見人とは元気なうちに自分がボケてしまったりしたときに財産の管理をしてくれる人を指定して
- 老人ホームに入所させて欲しい
- そのための費用が不足したら自宅を売却して欲しい
- 苦痛を伴う延命治療はしないで欲しい
という契約で、公正証書遺言と同様に公証人役場で公正証書の作成をすることで行なえます。
終活ブームや子供のいない高齢者の間で「無くなる前の整理」をされる方が増えてきた、というわけです。
増えてきた、といってもまだまだ一般的ではなく一部の高額な財産を持っている人がするもの、という感覚かもしれません。
任意後見人契約の中に『この土地は孫の誰々に家を建てて欲しいから、 抵当権が必要ならOKだよ。』という内容が入っていればいいのですが、実際にはほぼ期待できません。おじいちゃん、おばあちゃんが元気で「いいよ」といってくれているうちに家を建てないと、ある日突然「家が建てられない!」という状況になってしまうかもしれません。
ライフプランは家族、親族全体を見渡して考えたいですね。
「30年後も笑顔でいること」を目指すファイナンシャルプランナー
家計のサポートセンター 代表 鈴木大輔
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